夏果

日常の思いと創作など

夢想

あやまりすぎる彼女の罪 #1

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 私の友人は高校の頃からよく「ごめんなさい」という子でした。 しかし、彼女はそんなに謝るほど悪いことはしていませんでした。 20歳になった年の春でした。 彼女に彼氏ができました。 彼女は相変わらず気を遣って…

白い空。灰色の正方形の小屋。

湿った夜だった。 すりガラスの中から雨音を聞くのが心地よかった。 「雨脚が弱まるか強まるかでハイローした話は過去のことだろ?」 「そんな話掘り起こさないで」 「粋人になりきれないのはお互い様だ」 彼女は頷く。 「でもこの雨は10分後には弱まる。500…